育休中のふるさと納税上限|給付を年収に入れない2026年計算例

執筆・編集ふる住控除ナビ運営事務局
制度・出典確認2026-09-27
計算エンジンv2026.10.1
制作・検証方法を見る →

育休年の課税給与300万円・育児休業等給付180万円・住宅ローン控除ありの再現可能な例で、給付を年収へ足す誤り、社会保険料免除、夫婦別の試算を解説します。

先に結論

育児休業等給付は非課税所得なので、ふるさと納税の給与収入見込みへ加えません。休業前後や復職後に勤務先から支払われる課税給与・賞与だけを合計し、その年に実際に負担する社会保険料や所得控除、住宅ローン控除を本人ごとに反映します。前年と同額を寄付せず、10月と年末の2回に分けて試算するのが安全です。

結論:家計の入金額と税の「給与収入」は別

厚生労働省の2026年8月版Q&Aは、育児休業給付金、出生時育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金をまとめた「育児休業等給付」を非課税所得と明記しています。受取額が大きくても、給与収入として上限へ足しません。

一方、休業前、休業中または復職後に勤務先から支給された給与・賞与は課税給与です。給与明細の課税支給額と年末までの見込みを積み上げます。

育休年の入金をどう扱うか
入金・控除上限試算での扱い確認資料
勤務先の給与・賞与給与収入に含める給与明細、賞与明細、源泉徴収票
育児休業給付金給与収入に含めない支給決定通知
出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金給与収入に含めない支給決定通知
育児時短就業給付金給与収入に含めない支給決定通知
実際に負担した社会保険料所得控除へ反映給与明細、源泉徴収票

10月に行う5ステップ試算

  1. 1月から現在までの課税給与を合計

    給与明細の課税支給額と賞与を合計します。手取り額や銀行への入金額ではありません。

  2. 年末までの勤務先給与を見積もる

    復職予定日、時短勤務、年末賞与を勤務先の予定に合わせます。未確定分は低めに置きます。

  3. 育児休業等給付を給与から除く

    生活費の入金には含めても、税の給与収入欄には加えません。

  4. 社会保険料と家族の控除を更新

    免除期間と実際の負担額、配偶者の所得見込み、扶養親族を前年から更新します。

  5. 住宅ローンと申告方法を反映

    年末残高、入居年、住宅区分を入力し、初年度など確定申告する年は「確定申告」を選びます。

完全計算例:課税給与300万円・給付180万円・住宅ローンあり

2026年の勤務先からの課税給与・賞与が合計300万円、育児休業等給付が180万円、実際に負担した社会保険料が30万円、配偶者の給与収入なしとします。認定住宅、2024年入居、年末ローン残高2,500万円、住宅ローン控除2年目で、ほかに確定申告理由がなくワンストップ特例を使う例です。

給付180万円を除き、給与収入300万円で計算すると、所得税の課税所得は30万円、住民税所得割概算は93,500円です。住宅ローン控除可能額17万5,000円のうち62,186円は所得税と住民税から使い切れない計算となり、ふるさと納税の計算上限は2,100円、安全側表示は1,000円です。この安全側表示は、実務上「寄付余力がほぼない」と読みます。

育休年の再現可能な入力例
入力・計算結果金額理由
勤務先の課税給与・賞与3,000,000円給与明細から合計
育児休業等給付1,800,000円非課税のため給与収入へ入れない
社会保険料控除300,000円免除期間を除く実際の負担見込み
所得税の課税所得300,000円2026年政策表で計算
住民税所得割概算93,500円調整控除後・他の税額控除前
住宅ローン控除可能額175,000円年末残高2,500万円×0.7%
使い切れない住宅ローン控除62,186円所得税と住民税上限を適用後
ふるさと納税の計算上限2,100円ワンストップとして計算
安全側表示1,000円寄付余力がほぼない状態

給付を年収へ足すと、上限を54,500円も過大表示

上の例で、非課税の給付180万円を誤って給与へ足すと、給与収入は480万円として計算されます。同じ社会保険料30万円、住宅条件なら計算上限は56,600円となり、正しい2,100円より54,500円高くなります。

家計の年間入金は同じ480万円でも、課税給与300万円と非課税給付180万円は税計算上まったく同じではありません。銀行口座の入金合計や前年の年収を使わないでください。

正しい入力と誤入力の差
ケース給与収入へ入力計算上限安全側の表示
正しい:給付を除外3,000,000円2,100円1,000円
誤り:給付を給与扱い4,800,000円56,600円50,000円
参考:通常勤務の前年6,000,000円69,100円62,000円

社会保険料は前年の15%で固定しない

日本年金機構は、事業主の届出により、育児休業等期間中の健康保険・厚生年金保険料の本人負担分と事業主負担分が免除されると案内しています。月額保険料は、原則として休業開始月から終了日の翌日が属する月の前月までが免除期間です。同じ月内でも14日以上取得する場合に免除となる仕組みがあります。

賞与保険料の免除は、賞与月の月末を含む連続1か月超の育児休業等が条件です。短い育休では月額と賞与の判定が異なります。サイトへは制度上の一般値ではなく、給与明細や勤務先の証明から2026年中に実際に負担する見込額を入れます。

社会保険料を確認する資料
時点見るもの更新する項目
休業開始前最後の通常勤務月の給与明細年初からの負担済み額
休業中会社の免除手続・給与明細免除対象月、給与支給の有無
賞与支給月賞与明細と休業期間賞与保険料が免除されたか
復職後復職後の給与明細年末までの本人負担見込み
年末源泉徴収票社会保険料等の金額の確定値

夫婦は世帯収入ではなく本人ごとに計算

ふるさと納税の控除は寄付した本人の所得税・住民税へ反映されます。育休中の本人と通常勤務の配偶者の収入を合算して一つの上限にしません。夫婦それぞれの給与、給付、社会保険料、住宅ローン控除を別に整理します。

育児休業等給付のような非課税所得は、扶養控除等の合計所得金額の判定にも含めないと国税庁は案内しています。ただし、配偶者控除・配偶者特別控除の適用は納税者本人と配偶者それぞれの所得、年末時点の事実関係で確認します。

夫婦別試算の分け方
項目育休を取得した本人配偶者
給与収入本人の勤務先給与・賞与のみ配偶者の勤務先給与・賞与のみ
育児休業等給付給与へ含めない本人分を配偶者収入へ移さない
住宅ローン控除本人名義・負担分配偶者名義・負担分
ふるさと納税本人名義で本人上限まで配偶者名義で配偶者上限まで

住宅ローン控除があると上限が急減することがある

育休で課税給与が減ると、住宅ローン控除前の所得税も下がります。所得税から引ききれない住宅ローン控除は一定額まで翌年度住民税へ回りますが、住民税側にも上限があります。上の300万円例では住宅ローン控除を62,186円使い切れず、寄付による税負担軽減を受ける余地もほぼ残りません。

前年給与600万円時の計算上限69,100円を繰り返すと、育休年の2,100円との差は67,000円です。住宅ローン控除がない人も所得減で上限は下がりますが、控除がある人は税額の残りまで必ず確認します。

ワンストップか確定申告かも更新する

住宅ローン控除2年目以後で年末調整を受け、ほかに確定申告理由がなく、寄付先が5団体以内などの要件を満たす会社員はワンストップ特例を検討できます。

住宅ローン控除初年度、医療費控除、副業などで確定申告する場合は、ワンストップ申請が無効になります。計算器を「確定申告」に切り替え、申請済み分を含む全寄付を申告書へ入力します。

育休年の申告方法チェック
状況選ぶ方法寄付の手続
住宅ローン控除2年目以後・他の申告なしワンストップを検討5団体以内などの要件を確認
住宅ローン控除初年度確定申告全寄付を申告
医療費控除を申告確定申告全寄付を申告
副業などで申告確定申告副業と全寄付を申告

よくある間違いと直し方

育休年の試算で起きやすい誤り
誤り結果への影響直し方
育児休業等給付を給与へ足す上限を大幅に過大算定給付を除き、勤務先の課税給与だけを合計
前年の源泉徴収票を使う通常勤務時の高い年収を引き継ぐ2026年の給与明細へ置き換える
給与の15%を社会保険料とする免除期間を反映できない実際の負担済み額と年末見込みを使う
夫婦の収入を合算する寄付者本人の税額と一致しない本人ごとに別計算
前年の寄付額を繰り返す所得減と住宅ローン控除の重なりを無視今年の条件で再計算
復職予定を確定収入扱いする復職延期・時短変更を吸収できない低めに試算し、復職後に更新

10月と12月の二段階チェック

このページの数字は2026年政策表と当サイトの計算エンジンによる説明例です。給付の支給要件、保険料免除、配偶者控除の適用は個別条件で変わります。勤務先、年金事務所、税務署または税理士へ確認してください。

  • 育児休業等給付を給与収入に入れていない
  • 2026年に勤務先から支給される給与・賞与だけを合計した
  • 社会保険料の免除期間と実負担額を反映した
  • 夫婦それぞれの所得と控除を別に整理した
  • 住宅ローン年末残高と入居年を更新した
  • 実際の申告方法を選んだ
  • 復職時期や賞与が変わったら12月に再計算する

公式資料・出典

本記事は次の政府公式資料を基に作成しています。個別の申告は、国税庁・自治体または税理士へご確認ください。