ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?2026年の上限・影響を計算

執筆・編集ふる住控除ナビ運営事務局
制度・出典確認2026-10-01
計算エンジンv2026.10.1
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ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できます。ただし初年度の確定申告や住民税への控除移行で上限が変わる場合があります。2026年・年収600万円と700万円の計算例で影響を確認します。

先に結論

両制度は併用できます。ただし、住宅ローン控除額をふるさと納税上限から単純に引く計算ではありません。2026年の見込み年収と所得控除から所得税・住民税所得割を求め、年末ローン残高から住宅ローン控除可能額を求め、最後に実際の申告方法で両方の控除を同時に計算します。

結論:上限を決める3つの計算を一緒に行う

国税庁は、ふるさと納税を地方公共団体への寄附金控除、住宅ローン控除を年末残高等に基づく税額控除として案内しています。要件を満たせば同じ年に両方を利用できます。

難しいのは控除の順序です。確定申告では寄附金控除により住宅ローン控除前の所得税が下がり、所得税から引ききれない住宅ローン控除が住民税側へ増えることがあります。したがって『住宅ローン控除可能額を寄付上限から引く』という式では求められません。

併用計算で確認する3つの上限
確認する上限公式ルールの要点上限を動かす主な入力
ふるさと納税自己負担2,000円で収まる範囲は、住民税所得割の特例控除上限などで決まる今年の所得・所得控除・申告方法
住宅ローン控除年末残高等×0.7%を基本に、住宅区分・入居年ごとの借入限度額と控除期間を適用12月31日の残高、取得対価、住宅区分、入居年
住民税への移行所得税で引ききれない額のうち、一般的な2022年以後入居は課税総所得金額等の5%・最高97,500円まで住宅ローン控除前の所得税、入居年

まず申告方法を決める:4ステップ判断フロー

確定申告を行うと、その年分のワンストップ特例は適用されません。申請済みの寄付も含め、すべての寄付を確定申告書へ入力します。

  1. 住宅ローン控除の初年度か確認

    初めて控除を受ける年分は、給与所得者も原則として確定申告が必要です。シミュレーションも「確定申告」を選びます。

  2. 初年度でなければ、ほかの申告理由を確認

    医療費控除、副業、不動産所得などで確定申告するなら、ワンストップ申請済みでも「確定申告」を選びます。

  3. 確定申告しない会社員は寄付先数を確認

    寄付先が5団体以内などの要件を満たす場合は、ワンストップ特例を検討できます。

  4. 実際に行う方法と同じ設定で計算

    ワンストップと確定申告では控除が流れる税目が違います。予定ではなく、実際に行う申告方法へ合わせます。

完全計算例:年収600万円・寄付6万円・住宅ローン控除あり

条件は、2026年の給与収入600万円、社会保険料90万円、扶養なし、認定住宅、2024年入居、取得対価4,000万円、2026年末ローン残高2,500万円です。当サイトの2026年政策表では、所得税の課税所得204万円、住民税所得割26万7,500円、住宅ローン控除可能額17万5,000円となります。

この条件の計算上限は69,100円、安全側の目安は62,000円です。6万円の寄付は計算上限内で、自己負担2,000円を除く税負担軽減は端数処理後57,999円です。

同じ6万円の寄付でも、控除が流れる場所が違う
項目ワンストップ特例確定申告
所得税の寄附金控除0円5,921円
住民税の寄附金控除57,999円(基本分・特例分・申告特例分)52,078円(基本分・特例分)
寄付後に住民税へ回る住宅ローン控除66,264円72,185円
寄付の税負担軽減合計57,999円57,999円
確認する場所2027年度の住民税決定通知書所得税の申告結果+2027年度の住民税決定通知書

なぜ確定申告では住宅ローン控除の住民税分が増えるのか

確定申告では、寄付6万円から2,000円を引いた5万8,000円が所得控除の対象です。この例の所得税率10%に復興特別所得税を含めると、所得税側の軽減は5,921円です。住宅ローン控除前の所得税がその分だけ下がるため、所得税で使う住宅ローン控除も5,921円減り、住民税へ回る額が同額増えます。

ワンストップ特例では、所得税相当分も申告特例控除として翌年度の住民税へまとめて反映されるため、この例では住宅ローン控除の所得税側の使用額は変わりません。どちらも寄付の税負担軽減合計は同じですが、住宅ローン控除が住民税上限に達するケースでは差が実質負担へ影響することがあります。

同じ年収700万円でも上限は86,400円と66,000円

年収だけの早見表では、扶養やiDeCo、申告方法による差を拾えません。次は住宅条件と給与収入が同じでも、所得控除が違う2人を現行エンジンで比較した例です。

2026年・給与収入700万円の比較(共通:社会保険料105万円、認定住宅、2024年入居、年末残高2,500万円)
項目A:扶養なしB:控除が多い
追加条件iDeCoなし・ワンストップ配偶者所得80万円・大学生扶養1人・iDeCo27.6万円・確定申告
所得税の課税所得310万円219万4,000円
住民税所得割の概算33万6,500円25万4,900円
住宅ローン控除可能額17万5,000円17万5,000円
計算上限86,400円66,000円
安全側の目安77,000円59,000円

住宅ローン控除1年目と2年目以後の違い

初年度かどうかは、住宅を買った年ではなく『住宅ローン控除を初めて受ける年分か』で確認します。初年度は住民税側の控除上限に達しやすいケースもあるため、一般的な年収早見表だけで寄付額を決めないでください。

会社員の一般的な手続比較
時期住宅ローン控除の手続ふるさと納税の扱い
1年目原則、確定申告ワンストップ申請済みでも無効。全寄付を確定申告へ入力
2年目以後要件を満たせば年末調整ほかに確定申告理由がなく、寄付先5団体以内等ならワンストップを検討
2年目以後でも確定申告する年確定申告で住宅ローン控除も反映全寄付を確定申告へ入力

2026年入居は住宅区分を証明書で確認する

国土交通省は、2026年の税制改正で住宅ローン減税の適用期限を2030年まで延長し、省エネ性能の高い既存住宅の借入限度額や控除期間を拡充しました。国税庁の計算表では、2026年以後入居の新築について、認定住宅、ZEH水準、省エネ基準適合住宅、その他の住宅で借入限度額と控除期間が異なります。

『新築』『中古』だけで推測せず、認定通知書、住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書など手元の資料で区分を確認します。子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せも、該当要件と床面積要件を別に確認してください。

年の途中はこの順番で入力する

  1. 今年の見込み給与・賞与を合計

    手取りではなく課税支給額を使い、1月から現在までの累計に年末までの見込みを加えます。

  2. 社会保険料・扶養・iDeCo等を反映

    前年の源泉徴収票をそのまま使わず、2026年に変わる控除を更新します。

  3. 12月31日のローン残高を確認または推計

    当初借入額ではありません。返済予定表を使い、繰上返済や借換えも反映します。

  4. 入居年・住宅区分・取得対価を入力

    年末残高だけでなく、住宅区分別の借入限度額と取得対価も控除対象額を制限します。

  5. 申告方法を合わせ、年末に再計算

    10月ごろは安全側の目安までにとどめ、給与と正式な年末残高が固まったら追加寄付を判断します。

よくある誤りと直し方

上限を誤りやすい入力
誤りなぜ危険か直し方
手取り額を年収にする給与所得の計算起点が違う源泉徴収票や給与明細の課税支給額を合計
当初借入額を入れる控除は各年末残高等を基に計算12月31日の残高へ置き換える
年末残高×0.7%をそのまま使う住宅区分別限度額・取得対価・控除期間を無視する入居年と住宅区分も入力
初年度にワンストップを選ぶ住宅ローン控除の確定申告でワンストップが無効になる確定申告を選び、全寄付を申告
前年の通知書だけで上限を決める年収・扶養・控除の変化を反映できない2026年見込みで計算し、年末に更新
計算上限ぴったりまで10月に寄付賞与や控除の見込み外れを吸収できない安全側の目安を使い、年末に再計算

寄付前の最終チェック

このページの数字は、2026年政策表と当サイトの計算エンジンによる説明例です。分離課税所得、特殊な住宅取得、複数借入れなどがある場合は、税務署・自治体または税理士へ確認してください。

  • 住宅ローン控除の初年度か2年目以後か確認した
  • 2026年の見込み年収と所得控除を使った
  • 12月31日の年末残高を使った
  • 入居年・住宅区分・取得対価を確認した
  • 実際に行う申告方法を選んだ
  • 計算上限ではなく安全側の目安を基準にした

公式資料・出典

本記事は次の政府公式資料を基に作成しています。個別の申告は、国税庁・自治体または税理士へご確認ください。