転職した年のふるさと納税上限|前職・現職を合算する2026年シミュレーション
2026年に転職した人のふるさと納税上限を、前職・現職の給与と社会保険料を合算した年収660万円のシミュレーションで解説。年末調整、住宅ローン控除との併用も公式情報で確認します。
2026年中に転職した場合、ふるさと納税上限の給与収入には前職と現職から2026年中に支払われる給与・賞与を合算します。社会保険料も両社分を合計し、前職の源泉徴収票を現職へ提出して年末調整を受けます。現職分だけで計算すると、上限を大きく誤る可能性があります。
結論:勤務先別ではなく2026年の本人合計で計算する
国税庁は、年の途中で就職して年末まで勤務する人について、前職で扶養控除等申告書を提出して受けた給与がある場合、その給与を含めて年末調整を行うと案内しています。前職の給与、源泉徴収税額、社会保険料は源泉徴収票などで確認します。
ふるさと納税の試算も同じ考え方です。振込手取額ではなく、2026年中の前職・現職の給与と賞与を合算し、両社分の社会保険料を反映します。現職分だけで計算すると、年間の課税所得と住民税所得割を正しく見積もれません。
転職年の入力を作る5ステップ
- 前職の源泉徴収票を受け取る
支払金額、源泉徴収税額、社会保険料等の金額を確認します。未交付なら前職へ早めに依頼します。
- 現職の年内見込みを足す
現在までの課税支給額と、12月までの給与・賞与見込みを合計します。手取額は使いません。
- 社会保険料を合算する
前職・現職で天引きされた額に、空白期間中に自分で支払った対象保険料があれば証明書に基づいて反映します。
- 住宅ローン条件を更新する
入居年、住宅区分、取得対価、2026年12月31日のローン残高を確認します。当初借入額ではありません。
- 年末調整か確定申告かを合わせる
前職分を含めた年末調整を受けるか、確定申告で精算するかに合わせて申告方法を選び、寄付済み額を差し引きます。
集める資料:どの数字をどこから取る?
10月時点で前職の源泉徴収票が届いていない場合は、給与明細と退職時の最終明細で仮計算し、正式な源泉徴収票を受け取ったら必ず置き換えます。
| 資料 | 確認する数字 | 入力時の注意 |
|---|---|---|
| 前職の2026年分源泉徴収票 | 支払金額・社会保険料等の金額 | 現職の合算済み源泉徴収票が出た後は二重加算しない |
| 現職の給与・賞与明細 | 課税支給累計・年内見込み | 手取額ではなく給与・賞与の支給額を使う |
| 保険料控除証明書・納付記録 | 自分で支払った国民年金等 | 勤務先天引き分との重複を避ける |
| 住宅ローン年末残高情報 | 2026年12月31日の残高 | 当初借入額や現在残高と混同しない |
| 寄付の決済記録 | 2026年中の寄付済み総額・自治体数 | 複数ポータルを一つに集計する |
完全計算例:前職320万円+現職340万円
前職給与320万円・社会保険料48万円、現職給与340万円・社会保険料51万円とします。合計給与収入は660万円、社会保険料は99万円です。配偶者控除なし、扶養親族なし、2024年入居の認定住宅、取得対価4,000万円、2026年末残高2,100万円、ワンストップ特例で計算します。
住宅ローン控除可能額は2,100万円×0.7%=14万7,000円です。当サイトの2026年政策表では、所得税の課税所得281万円、住民税所得割概算34万2,000円、寄付の計算上限87,800円、安全側の目安79,000円です。
| 項目 | 前職 | 現職 | 年間合計・計算結果 |
|---|---|---|---|
| 給与・賞与 | 3,200,000円 | 3,400,000円 | 6,600,000円 |
| 社会保険料 | 480,000円 | 510,000円 | 990,000円 |
| 所得税の課税所得 | — | — | 2,810,000円 |
| 住民税所得割概算 | — | — | 342,000円 |
| 住宅ローン控除可能額 | — | — | 147,000円 |
| 寄付の計算上限/安全側 | — | — | 87,800円/79,000円 |
現職分だけなら34,100円:差額53,700円
同じ人が現職給与340万円と社会保険料51万円だけを入力すると、計算上限34,100円、安全側30,000円です。前職分を除いたため、年間合算の計算上限87,800円より53,700円低く表示されます。
これは過小評価の例です。反対に、見込み賞与を多く入れすぎる、空白期間の社会保険料や扶養の変化を漏らすと、寄付額を過大に決める場合もあります。10月は安全側で決め、年末調整後の数字で再計算します。
| 入力方法 | 給与収入 | 社会保険料 | 計算上限 | 安全側の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 前職+現職を合算 | 6,600,000円 | 990,000円 | 87,800円 | 79,000円 |
| 現職分だけ | 3,400,000円 | 510,000円 | 34,100円 | 30,000円 |
| 差 | 3,200,000円 | 480,000円 | 53,700円 | 49,000円 |
前職の源泉徴収票を現職へ提出する理由
国税庁は、前職分の給与、源泉徴収税額、社会保険料を源泉徴収票などで確認できないとき、現職では年末調整を行えず、本人が確定申告で所得税を精算すると説明しています。給与明細だけで現職の年末調整が必ず完了するとは限りません。
現職から年末調整後の源泉徴収票を受け取ったら、支払金額が前職分を含むか、摘要欄等も含めて照合します。合算済みなら、その支払金額へ前職320万円をもう一度足さないでください。
年末調整と確定申告の判断表
確定申告を行うと、ワンストップ特例は無効になります。申請済みの寄付も含め、2026年中の全寄付を確定申告へ入力します。
| 年末の状況 | 所得税の精算 | ふるさと納税 |
|---|---|---|
| 再就職し、前職源泉徴収票を現職へ提出 | 現職が前職分を含めて年末調整 | ほかに申告理由がなく5団体以内等ならワンストップを検討 |
| 前職資料を確認できず年末調整不可 | 本人が確定申告で精算 | ワンストップは使わず全寄付を確定申告 |
| 年内に再就職しない | 確定申告で還付を受けられる場合がある | 確定申告するなら全寄付を申告 |
| 住宅ローン控除の初年度 | 原則として確定申告 | ワンストップ申請済み分も全件申告 |
住宅ローン控除2年目以後も現職へ書類を出す
転職だけを理由に住宅ローン控除の残り期間が消えるわけではありません。2年目以後の給与所得者は、住宅借入金等特別控除申告書兼計算明細書と年末残高情報などを現職へ提出し、要件を満たせば年末調整で控除を受けます。
住宅ローン控除の初年度が転職年と重なる場合は原則として確定申告です。当サイトでも申告方法を『確定申告』にし、ふるさと納税を含めて計算し直します。
10月と年末の使い分け
源泉徴収票がそろわない10月は、前職実績と現職見込みを合算して安全側の目安までにとどめます。12月に給与・賞与、扶養、保険料、年末ローン残高が固まったら、正式数字で再計算して追加寄付の可否を判断します。
年末に追加する場合は、2026年の寄付済み総額を安全側の目安から差し引き、寄付先自治体の決済期限を確認してください。
転職年のよくある誤り
| 誤り | なぜ危険か | 直し方 |
|---|---|---|
| 現職の給与だけを年収にする | 前職分を含む年間所得を過小評価する | 前職・現職の給与と賞与を合算 |
| 手取額を給与収入にする | 税・社会保険控除後の金額になっている | 源泉徴収票の支払金額と課税支給額を使う |
| 社会保険料を片方しか入れない | 所得控除を正しく見積もれない | 両社分と本人納付分を証明書で集計 |
| 合算済み源泉徴収票へ前職分を再加算 | 給与を二重計上する | 現職票の支払金額と摘要を照合 |
| 退職金を給与へ足す | 所得区分と課税方法が異なる | 給与収入から分けて個別に確認 |
| 確定申告してもワンストップが残ると思う | 寄付控除が反映されないおそれ | 申請済み分を含め全寄付を確定申告 |
公式資料・出典
本記事は次の政府公式資料を基に作成しています。個別の申告は、国税庁・自治体または税理士へご確認ください。